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TRYGEARの紹介
電子工作、情報教育、プロトタイピングなどで広く使用されているArduino UNOの形状やコネクタ配置に準拠し、これまでの教育との連続性と、発展的な新たな取り組みの両立が可能な、新世代の開発基板シリーズです。

新たな挑戦を共に歩むTRYGEAR:トライギア
TRYGEAR:トライギアのシリーズ名称は、電子工作やプログラミングを学び始めた方々に、失敗を恐れず試行錯誤(TRY:トライ)に取り組み、新たな経験・知識・能力を獲得するための身近な道具(GEAR:ギア)として活用していただきたいという想いを込めて命名しました。
Lチカの絶壁を超えて
電子工作や、大学、高専、高校の実験・演習などでArduinoが使用されています。電子工作では、最初の取り組みとしていわゆる[Lチカ]が有名で、ネットを見てもその記事にあふれています。ところが、その記事の後続記事として、次の取り組みが公表されていないことが多いですね。皆さんや皆さんの周りでLチカの次の一手に踏み出せなかったり、様々な問題で足踏みされている方を見ることはありませんか?
TRYGEARの開発基板は、多くの電子工作、実験・演習で使用されるスイッチ、LED, 圧電スピーカーなどの基本的な入出力を基板上にあらかじめ搭載しており、Lチカ後の絶壁をこえ、TRYGEARのみで様々な実験を行えるように設計されています。
また、TFT/OLEDなどのディスプレイ、センサーや拡張モジュール用のI2C、I2CRCサーボなどの接続コネクタなどを基板上にあらかじめ搭載しています。TRYGEARの稼働電圧はArduino UNO等とは異なり、主要な外部モジュールの稼働電圧と同じ3.3Vなので、センサーやTFTディスプレイなどの多様な外部モジュールをレベル変換回路なしで直接接続し、試作や実験の世界を大きく広げることができます。
標準的なオンボード・インターフェース
TRYGEARに装備されている標準的な入出力機能と配置を紹介します。
- タクトスイッチ x3 (SW1-SW3): 基板の右端上部に配置されています。
- LED x3 (LED1-LED3): 基板の中央から左の上下部分に配置されています。
- 圧電スピーカー (SPK1): 基板の中央の少し左上に配置されています。
- MicroSDソケット (SD1): 基板の右端中央に配置されています。
- RCサーボ端子 x2 (CN2,CN3): 基板の下端左側に配置されています。
- OLEDディスプレイコネクタ (CN5): 基板の中央上部に配置されています。
- TFTディスプレイコネクタ (CN4): 基板の中央下部に配置されています。
- I2Cコネクタ x2 (1つはアナログコネクタと共用)
基板構成
TRYGEARシリーズは搭載するMCUや機能の違いで複数のモデルがありますが、その標準的な基板構成となるDASHクラスの基板上の入出力等の配置例を以下に示します。なお、LITEやAVRクラスの基板構成はDASHクラスに準じますが、MicroSDソケットが省かれています。

DASH/LITEで作成・評価されたハード・ソフトを応用装置などに組込むときに使用できるCOREクラスの、基板上の入出力等の配置例を以下に示します。

COREクラスの基板は、機能的にはLITEとほぼ同一でコネクタ・端子の位置は共通ですが、Arduino UNOのサイズにこだわらず、基板サイズが小さくまとめられています。また、組込み時に配線の自由度を確保するために、ピンソケットやピンヘッダーはついていません。
拡張性
TRYGEARシリーズでは、核となる開発基板に加え、多彩な実験や開発に活用できるように、気温、湿度、気圧、明るさ、加速度などのセンサーモジュールやLEDマトリックス表示用などの拡張基板なども整備しています。これらのモジュールや拡張基板は、開発基板に直付けできるように設計されており、面倒な配線を必要としません。
プログラミング環境
プログラミングには、Arduino言語(C/C++)に加え、メモリ搭載量の大きな開発ボードでは、CircuitPython/MicroPythonが使用できます。
ArduinoではTRYGEAR.h, CircuitPythonでは trygear.pyと呼ぶ互換ファイルを用意しており、これを利用してプログラミングすることで、TRYGEARシリーズの開発基板ごとに異なるMCUのピンの名称や配置を基本的に意識することなく、TRYGEARシリーズ内での互換性の高いプログラムを作成することができます。
TRYGEARが切り拓く次世代マイコンプログラミング教育のビジョン
十分な性能と容量:これから「10年間」のスタンダードを担う基盤
技術の進化が激しいマイコン市場において、教材の寿命は死活問題です。TRYGEARは、ラズベリーパイ社の最新フラグシップマイコン「RP2350(Cortex-M33 デュアルコア)」をいち早く採用。 ハードウェアFPUやDSP命令の標準装備に加え、従来の標準機を圧倒する「520KBの広大なSRAM」と最大16MBのフラッシュメモリを搭載しています。 これにより、AI連携や高度な信号処理といった数年後のトレンド、さらにその先のリッチなソフトウェア実装までを余裕で受け止めるキャパシティを確保。
導入した組織が、これから先、長年にわたって「陳腐化しない最先端のスタンダード機」として安心して投資・利用し続けられる抜群のハードウェア生命力を誇ります。
複数のプログラミング環境への対応:PythonからFreeRTOSまで、利用者の成長に寄り添う「1台全対応」
TRYGEARの最大のみそ(付加価値)は、ハードウェアの形を変えることなく、利用者の能力やステージに応じて「ソフトウェアのレイヤーを自在に切り替えられる」柔軟性にあります。
- 初級(高校・大学教養): 高校から利用が広がっているPython(CircuitPython)からスタート。インタプリタによる対話的なプログラミング環境で、プログラムとその挙動を基礎から学べます。一方で、Gemini等のAI連携や、数理計算ライブラリ『ulab』によるデータサイエンスの基礎を手軽に体感。
- 中級(大学専門): 理工系学部では、使い慣れた「Arduino環境」へシームレスに移行。C/C++によるマイコン制御の基礎を習得。
- 上級・企業人研修(アドバンスコース): Arduino環境を使用したままで、リアルタイムOS「FreeRTOS 」を使用可能。産業界で多用されるSTM32も選択肢に含め、組込みプログラミングを習得。
「学びが進んだからボードを買い替える」必要はありません。初心者の『楽しい』から、プロの『実務』まで、利用者の成長線にどこまでも地続きで寄り添い続ける唯一無二の相棒となります。
インターフェースの標準化:組織の垣根を越えた「教材共有」の共通言語
従来の組み込み教育では、学校や研究室、企業ごとにブレッドボードや配線、周辺モジュールの組み合わせが異なっており、それが「教材の孤立化(A校の教材が、B校では配線が違って動かない)」を生んでいました。
TRYGEARは、あらかじめ標準的な入出力インターフェースや各種センサーの接続機能をボード上に最適化された形で標準装備しています。 これにより、「違う学校、違う組織、違う企業」であっても、全く同じハードウェア構成を大前提としたカリキュラムの設計が可能になります。配線トラブルによる授業の遅延をゼロにし、教育者は「純粋なソフトウェアとアーキテクチャの指導」に100%集中できます。
知の循環:洗練された共通教材で、誰もが最高峰の教育を受けられる世界へ
インターフェースが共通化されることで、日本中、世界中の優れた教育者やエンジニアたちが作成したサンプルコードや講義スライド、実践ドキュメントがオープンに共有され、相互にブラッシュアップ(洗練)されていく「知のサイクル」が回り始めます。 これにより、所属や立場の異なる個人、生徒・学生、企業人であっても、蓄積された「良質で洗練された最高水準の教材」を等しく利用できるようになります。
高校時代にTRYGEARでPythonを学んだ若者が、大学で同じボードを使ってC言語を学び、社会人になって同じボードでFreeRTOSのマルチタスク開発を極める──。 人生の各ステージにおいて、洗練され尽くした共通の教育資産の恩恵を受け続けることができる。TRYGEARは、単なるマイコンボードの枠を超え、組み込み人材を社会全体で育てる「持続可能な教育エコシステム」を構築します。
TRYGEARシリーズのラインナップ
| クラス | カテゴリ | 特長 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| DASH | 標準 | Arduino Uno R3/R4互換、共通入出力標準搭載 | 最初の1台に最適 |
| LITE | 軽量 | MicroSDなどを削除したDASHの軽量モデル | |
| VIZ | 表現 | 大画面TV出力、キーボード等が繋がるUSBホスト | インタラクティブシステム開発 |
| NET | 通信 | Wi-Fi/Bluetooth、WEBサーバ構築、AI API連携 | ネット活用、IoT・AI学習 |
| WAVE | アナログ | 多数のオペアンプ、ADC、DAC, コンパレータ、DSPなどを搭載 | 実世界コンピューティング |
| CORE | 組込み | LITEと同機能、ピン未実装で基板サイズを最適化 | ロボット等の組込・実験 |
| AVR | 継承 | ATmega328P採用、既存カリキュラムやシールドの活用 | Arduino UNOの資産活用 |
| STACK | 拡張 | 手持ちのUNOに重ねてTRYGEAR環境を構築 | 既存資産の活用とアップデート |
標準モデル
TRYGEARシリーズの中核となる標準的な開発基板です。
| CLASS | MCU | CLOCK | FLASH | RAM | PSRAM | FUNC | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| DASH | RP2350A | 150M | 8M | 500K | リファレンス基板 | ||
| DASH | RP2040 | 135M | 8M | 260K | |||
| LITE | RP2040 | 135M | 4M | 260K | |||
| DASH | STM32H563 | 250M | 1M | 640K | CAN | 高速 | |
| DASH | STM32H503C | 250M | 128K | 32K | CAN, OPAMP | 高速 | |
| DASH | STM32G0B1C | 64M | 128K | 144K | CAN |



DASH(ダッシュ):モノづくりの世界へ、勢いよく飛び出す最初のGEAR(ギア)
「ここから、新しくエキサイティングな学習や体験をスタートさせたい」――そんな思いを持つ方が、最初に手にする最高のGEAR(装備)として誕生したのが 「TRYGEAR-DASH(ダッシュ)」 です。
世界標準であるArduino Uno R3/R4準拠の扱いやすさはそのままに、TRYGEAR共通の豊かな入出力を最初から搭載したこのボードには、「DASH」という言葉に2つの想いを込めています。
- 勢いよく駆け出す(Dash): 従来のマイコンボードのように「周辺部品の配線」で迷うことなく、電源を入れたその瞬間から、プログラミングと電子制御の世界へ最高速のスタートダッシュを決めてほしいという願い。
- 進化のダッシュ記号( ' ): 数学や工学において、基数(A)に対してさらに進化したもの、より洗練されたものを「A'(エープライム/エーダッシュ)」と呼びます。単なる標準機(UNO)にとどまらず、これからの時代にふさわしい「一歩進んだ、新しい学びの標準機」というGEARからスタートしてほしいという、私たちの設計思想。
回り道をせず、最初の1台から一気に自分のアイデアを形にする楽しさへ駆け上がる。そんな皆さんの情熱を加速させるための新世代の「装備(GEAR)」が、このDASHです。
機能拡張モデル
TRYGEARシリーズのフラグシップモデルとなる機能拡張基板です。
標準モデルDASHの機能に加え、TV/モニタへの映像出力機能を拡張した基板と、WiFiによるネットワーク機能を拡張した基板があります。
| CLASS | MCU | CLOCK | FLASH | RAM | PSRAM | FUNC | 機能拡張 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| VIZ | RP2350B | 150M | 16M | 520K | - | TV/モニタ出力、USBホスト機能 | |
| NET | ESP32-S3 | 200M | 8M | 500K | 8M | WiFiネットワーク機能 | |
| WAVE | STM32G474C | 170M | 128K | 128K | - | 多数のオペアンプを含めたアナログ機能 |
VIZ(ビズ):大画面と対話で、アイデアを社会へ魅せるGEAR
すべてのTRYGEARシリーズで液晶ディスプレイが利用できますが、その中でも圧倒的な表現力とインタラクティブ(双方向)な対話機能を突き詰めたのが 「TRYGEAR-VIZ(ビズ)」 です。
大きなTVモニターへの画面出力機能や、キーボード・ゲームパッドを直接接続できるUSBホスト機能を備えたこのボードには、「VIZ」という言葉に2つの想いを込めています。
- 圧倒的な可視化(Visualize / Visual): 手元の小さな画面を飛び出し、大きなTVモニターにプログラムの動きやグラフィックをダイナミックに「可視化(Visualize)」し、自分のアイデアを周囲の人々へ力強くアピールしてほしいという願い。
- インタラクティブ機能の強化: キーボードやゲームパッドを通じた「人間との高度な対話(インタラクティブ性)」を設計する体験を通じて、単なる電子工作にとどまらない、実社会で役立つシステムやUI(ユーザーインターフェース)の「未来(Vision)」を捉えるクリエイターになってほしいという、私たちの設計思想。
「魅せる楽しさ」と「操る心地よさ」を知ることで、モノづくりはさらに高い次元へ加速します。あなたの創造力を社会へ鮮やかに描き出すための表現と対話の「装備(GEAR)」が、このVIZです。

NET(ネット):ネットワークとAIを操り、世界をスマートに変えるGEAR
「自分が作ったデバイスを、インターネットの海や最先端の知能と連携させたい」――そんなIoTとAIの扉を開く先進のGEARとして誕生したのが 「TRYGEAR-NET(ネット)」 です。
Wi-FiやBluetoothなどの強力な通信機能を標準装備したこのボードには、「NET」という言葉に2つの想いを込めています。
- 世界と双方向に繋がる(Network): ボード自体を「WEBサーバー」にして独自の情報を世界へ発信したり、ネット上の「各種API」を活用して実世界のリアルタイムな情報を取得・反映させたりと、無限に広がるネットワーク(Network)を自在にハンドリングしてほしいという願い。
- 知的なアプリの構築(次世代へのネットサーフィン): ネットの先にある「生成AIなどの外部API」とシームレスに連携することで、手元の小さな基板を、高度で知的な判断ができる最先端のアプリへと進化させてほしいという、私たちの設計思想。
机の上の電子工作から、ネットAPIやAIとリンクしたスマートデバイスへ。あなたのアイデアの境界線をなくし、世界をよりインテリジェントに変えるための革新の「装備(GEAR)」が、このNETです。

WAVE(ウェーブ):アナログを極め、現実の『波』を支配するGEAR
高精度なアナログ機能を豊富に内蔵した「STM32G474C」を搭載し、リアルタイムな信号処理や計測・制御に特化させた最高峰のハイエンド・プロトタイピングボードが 「TRYGEAR-WAVE(ウェーブ)」 です。
あえてTRYGEARシリーズ標準のTFT液晶ソケットの枠を超え、内蔵オペアンプ(2チャンネル)の入出力端子と周辺回路用の電源端子へ大胆にその8ピンを割り当てた独自の回路設計を持つこのボードには、「WAVE」という言葉に2つの想いを込めています。
- 現実世界のあらゆる波(Wave)を捉える: 音声、光、振動、モーターの逆起電力など、現実世界の連続する「アナログの波(Wave)」を高精度に増幅・計測し、デジタル信号へと破綻なく高速処理する一連のデータアクイジションを深く体感・習得してほしいという願い。
- 新時代の技術の波(Wave)を起こす: オペアンプの周辺回路を自由かつコンパクトに構成できる独自の端子配置により、これまでのマイコンボードでは外付け回路が必須だった高度なフィルタ回路や計測システムをスマートに実現。モノづくりの現場に変革を起こす「新しい技術の潮流(Wave)」の担い手になってほしいという、私たちの設計思想。
画面の中のデジタル表現を超え、オシロスコープの先にある生のアナログ信号と対峙する。電気・電子工学の本質へ肉薄し、あなたのアイデアを精密な計測・制御システムへと昇華させるための最も挑戦的な「装備(GEAR)」が、このWAVEです。

継承モデル
Arduino UNO R3のレジスタ操作なども含めたプログラムや教材を引き続き活用したい場合には、UNO R3と同様にATmega328Pを使用したTRYGEAR-AVRを使用することにより、Arduino UNOのソフトウェア資産の活用とTRYGEARによる発展的な応用に取り組むことができます。
TRYGEARの操作性や利便性を活用したいが、すでにArduino UNO R3/R4が手元にあり、それを引き続き利用したい場合には、UNO-TRYGEAR-STACKを使用して、お手元のArduino UNO R3/R4をTRYGEAR相当の開発基板に変身させることができます。
| CLASS | MCU | CLOCK | FLASH | RAM | PSRAM | FUNC | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| AVR | ATmega328P | 8M | 32K | 2K | - | ||
| STACK |
AVR(エイブイアール):伝統の資産を活かし、工学の基礎を極める「継承モデル」
大学や高専、専門学校などの教育現場で広く普及し、確固たる信頼を築いている「ATmega328P(AVRマイコン)」。その豊富な学習リソースと安心感をそのままTRYGEARシリーズに統合したのが 「TRYGEAR-AVR」 です。
あえてアーキテクチャ名を冠したこのボードには、2つの想いが込められています。
- 「洗練された定番技術の習得(AVR)」: 世界中で長年愛され、教科書や技術情報が豊富に蓄積された完成度の高いマイコンだからこそ、トラブルに惑わされず、純粋にC言語やレジスタ制御といった「コンピュータ工学の基礎」に集中してほしいという願い。
- 「次世代へ繋がる、発展的な移行」: これまでのArduino Uno向けのカリキュラムや資産を無駄にしないだけでなく、ここで培った「TRYGEARスタイル」のプログラミング経験がそのまま、将来的にさらに高性能・高機能なモデル(VIZやNETなど)への高度な応用開発へとステップアップする強固な土台となること。
使い慣れた安心感の中で、配線の手間だけを無くして学びをスタートする。伝統の技術を現代の学びへとアップデートし、未来の高度な応用へと繋ぐための進化の「装備(GEAR)」が、このAVRです。

STACK(スタック):手持ちのUNOを、一瞬でTRYGEAR環境へ進化させる「拡張モデル」
「学校にすでにたくさんのArduino Uno R3/R4がある」「手持ちのUNOをそのまま活かしたい」――そんな声に完璧に応え、さらなる成長への架け橋となるために誕生したのが、積層型拡張基板 「UNO-TRYGEAR-STACK(スタック)」 です。
お手持ちの標準的なUNOの上に重ねるだけで、一瞬にしてTRYGEAR共通の学習環境を構築できるこの基板には、2つの想いを込めています。
- 「重ねて、価値を倍増させる(Stack)」: すでにあるマイコンボードの上に「重ねる(Stack)」だけで、液晶ディスプレイや各種センサー、スイッチなどの共通入出力がすべて手に入る、最も経済的で無駄のないアップグレード体験をしてほしいという願い。
- 「学びを積み重ね、その先へ行く」: これまでにUNOで学んできたプログラミングの知識の上に、TRYGEAR共通の洗練されたコード設計を「積み重ねて」いくこと。ここで得た経験は、将来より高性能な単体ボード(VIZやNETなど)へ移行した際にも、そのまま通用する強力な基礎(コア・スキル)となります。
今ある資産を捨てずに活用しながら、最新の高度なカリキュラムへと合流させる。教育現場の負担を最小限に抑え、受講生の未来の可能性を最大化するための賢い「装備(GEAR)」が、このSTACKです。

組込みモデル
機能や端子・コネクタの配置は「DASH/LITE」の扱いやすさをそのままに、Arduino UNOのサイズ枠にとらわれず、基板サイズをコンパクトに凝縮したのが 「TRYGEAR-CORE(コア)」 です。
| CLASS | MCU | CLOCK | FLASH | RAM | PSRAM | FUNC | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| CORE | RP2350A | 150M | 8M | 520K | |||
| CORE | RP2040 | 135M | 4M | 260K | |||
| CORE | STM32H503C | 250M | 128K | 32K | CAN, OPAMP | ||
| CORE | STM32G0B1C | 64M | 128K | 144K | CAN | ||
| CORE | STM32G474C | 170M | 128K | 128K | |||
| CORE | ATmega328P | 8M | 32K | 2K |
CORE(コア):本質を凝縮し、実用的な組み込みに挑む「組込みモデル」
あらかじめピンソケットやピンヘッダーを実装せず、ユーザーが自由に配線できるこの基板には、「CORE」という言葉に2つの想いを込めています。
- 「機能の本質を凝縮する(Core)」: TRYGEAR共通の優れた機能や制御思想という「核(Core)」だけを小さな基板にギュッと詰め込み、ロボットの機体内やオリジナルの筐体、限られたスペースにもスマートに組み込める自由度(ポータビリティ)を体感してほしいという願い。
- 「モノづくりの核心に触れる(Core)」: あえてピンを未実装にすることでコストを徹底的に低く抑え、複数台を使った実験や実用デバイスの製作をより身近にすること。そして、自らハンダ付けや配線を工夫するステップを通じて、一歩深い「ハードウェア開発の核心」に挑戦してほしいという、私たちの設計思想。
机の上の学習用ボードから、実際に動くプロダクトの心臓部へ。無駄を削ぎ落とし、あなたのアイデアを社会の実用システムへと直結させるための実戦的な「装備(GEAR)」が、このCOREです。

TRYGEARの拡張モジュールFUNX




TRYGEARの関連開発ボード
| CLASS | MCU | CLOCK | FLASH | RAM | PSRAM | FUNC | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| DVI | RP2350A | 150M | 8M | 500K | |||
| MINI | STM32H503C | 250M | 128K | 32K | CAN, OPAMP | ||
| MINI | STM32G474C | 170M | 128K | 128K | CAN, OPAMP | ||
| NANO | STM32G0B1K | 64M | 128K | 144K | CAN | ||
| NANO | ATmega328P | 8M | 32K | 2K |



TRYGEAR(トライギア)の名前に込めた想い
新しく誕生した教育用マイコンボードシリーズ 「TRYGEAR(トライギア)」。 この名前には、これからプログラミングや電子制御を学ぶ生徒・学生の皆さんに、私たちが最も大切にしてほしい「学びの姿勢」と「道具としての役割」が込められています。
「TRY(試行)」:失敗を恐れず、何度でも挑戦する
プログラミングやモノづくりの世界において、最初から100%完璧に動くことは稀です。コードを書き換え、回路を組み替え、動かない原因を突き止める――この「試行錯誤」のプロセスこそが、技術を真に自分のもの(習得)にする唯一の道です。
「TRYGEAR」の TRY には、画面の中の論理だけでなく、自分の手の上で物理的な成果物が動く喜びを感じるまで、「失敗を恐れずに、まずやってみる、何度も挑む」という能動的な学びへのエールが込められています。
「GEAR(道具・歯車)」:技術を掴み取り、未来を動かす装備
GEAR には、3つの工学的・教育的な意味を持たせました。
- 「道具・装備(Gear)」: 与えられた教材ではなく、学生が自ら使いこなすための「マイ・ツール」として愛着を持ってほしいという願い。
- 「歯車(Gear)」: 学生の「アイデア(論理)」と、現実世界の「動き(物理)」をガッチリと噛み合わせる架け橋となる基板であること。
- 「変速(Gear)」: 基礎から応用へ、ステップを踏みながら確実に自分のスキルを加速(シフトアップ)させていけるシステムであること。
「教具」ではなく「相棒」として
これまでの学校教育におけるマイコン基板は、教員側から与えられる「計測・制御用の教材」という一過性の位置づけになりがちでした。
しかし、私たちが目指したのは、生徒・学生側の目線に立った「主体性を引き出す相棒」です。
未経験の不安の中でも、この装備(GEAR)があれば一歩踏み出せる。ガシガシいじくり回して(Tinker)、自分の手で物理世界をコントロールする全能感と楽しさを味わってほしい。「TRYGEAR」という名前は、そんなこれからの未来を担うメイカーたちへの、私たちからの約束の証です。