Pythonが急速に幅広い分野で使用されるようになってきました。
ESP32/ESP8266といったMCUでもPythonが使用できるので、そのインストール法などを紹介します。
Pythonそのものは、メモリ容量など多くのリソースを使用するため、そのままリソースに制限の大きいMCUに組み込むことは困難でした。そこで、MCUでPythonを使用できるように、2013年頃にMicroPythonが開発されました。当初はARMのみへの対応でしたが、現在は対応するMCUが広がっており、その中にESP32/ESP8266が含まれています。
MicroPythonのサイト
MicroPythonの日本語ドキュメントのサイト
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MicroPythonのバイナリファイル
ESP32/ESP32-C3/ESP8266のボードには、それぞれに対応したMicroPythonのバイナリファイルを書き込むことで、MycroPythonを実行できるようになります。
ESP32-C3用のMicroPythonは、シリアルラインをUSBコンバーターでPCにつなぐ従来の方法と、ESP32-C3で新たに導入された内蔵USBでPCにつなぐ方法のそれぞれで、使用するバイナリファイルが異なります。したがって、使用するUSBにあったバイナリを選択して導入する必要があります。このため、現状では、PCとの接続に2種類のUSBのどちらでも使用できる形での設定はできないようです。
ESP32
ESP32-C3: シリアルポート用
ESP32-C3-USB: USBポート用
ESP8266
バイナリファイルのボードへの書き込みツール
バイナリファイルの書き込みツールはesptoolと呼ばれるもので、ESP32/ESP8266の開発元のEspressifが下記のURLで配布しています。(ここからはダウンロードする必要はありません。)
esptoolの配布場所
esptoolはPythonで記述されているため、esptoolを利用するためには、Pythonが利用できるようにインストールしておくことが必要です。
Pythonのインストール
PCにPythonがインストールされていない場合には、以下のサイトからインストールパッケージをダウンロードし、そのインストーラーを実行してPythonをインストールします。
Pythonのサイト
Pythonのインストーラーを起動すると以下のようなダイアログが表示されますので、下部のPATHのチェックを付けて実行してください。
インストール後、コマンドプロンプトかPowerShell(以後これらをコンソールと呼びます)を起動し、その中で以下のように入力してpythonを実行し、インストールしたpythonのバージョンが表示されれば成功です。
python --version
esptoolのインストール
esptoolのインストールは、pythonが動くことが確認できたコンソール上で、以下のように入力します。
py -m pip install esptool
esptoolのインストールが終わったら以下のように入力すると、インストールされたesptoolのバージョンが表示されます。
esptool.py version
また、以下のように入力するとesptoolで使用できる引数やオプションが表示されます。
esptool.py -h